マスター ES とは、その作品にESというモノグラムを残した作家
で、本名や生・没年は分かっていません。ただ1461年から1467年にかけての年記のある版画を残していることから、その頃ライン川の上流地方に住み、活躍したと思われてます。年代のところに
fl と ありますが、これは英語のflourish=活躍の略で、その頃活動したという意味です。ガイスベルクという研究家によると、マスターESは、318点の銅版画を制作したとされていますが、その多くが1点のみ現存するだけです。またこのマスターESは、モノグラムを記した最初のドイツ人版画家と言われています。作品に署名を入れるということは、版画家がもはや「職人」ではなく「芸術家」であるという意識の現われであり、ルネッサンス期あたりから、こうした慣習が出来てきました。いずれにせよ、このマスターESは、ドイツ銅版画史、最初期の一人といえましょう。
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